カエル動画図鑑


トマトガエル




和名:トマトガエル(アカトマトガエル)
学名:Dyscophus antongili
英名:Tomato Frog
分布:マダガスカル
全長:105mm
えさ:無脊椎動物

トマトガエルは、その名前が示す通り、トマト色をしたカエルである。背中の皮膚はなめらかであり、両側には一対のひだがある。オスとメスでかなり外観が異なるのも、このカエルの大きな特徴だ。トマトガエルの性的ニ型は体色と大きさにあらわれている。メスの背中の色は明るい赤色だ。メスは、熟れたトマトのような感じに見える。一方、オスの背中の色は光沢が無く、茶色がかったオレンジ色をしている。また、メスはオスよりも体が大きく、3〜4センチほどの差がある。

主な生息地は低地の沼地や水溜り、湖や川などである。生息地はマダガスカル島の東海岸付近の一部に限られている。トマトガエルは定住性をもっており、めったに自分たちの生活圏から他の場所に移動することはない。また、木登りをしたり、水中で泳ぐこともない。もっぱら、歩くか、小さくジャンプをするだけである。トマトガエルは、座って獲物が通り過ぎるのを待つことが多く、動き回ることをあまり好まないカエルだ。

驚かされると、風船のように体を膨らませる。また、トマトガエルは皮膚から粘液を分泌する。ヘビなどの天敵がトマトガエルを食べようとすると、口の中がベトベトになるようだ。ヘビは口の中がベトベトするのを嫌がって、いったん口の中に入れたトマトガエルを吐き出す。人間がこのカエルに触ると、人によってはアレルギーを起こすこともあるので、注意したほうがいいだろう。トマトガエルの体色が派手なのは、“食っても美味くないから食うな”ということを天敵たちに警告するためなのである。この警告の役割をもった色のことを「警告色」という。乾季の間は、地面に穴を掘って地下に潜っているが、雨が降ると地上に姿を現す。

繁殖は雨季の時期に、よどんだ水場で夜に行なわれる。オスは水深の浅い水溜りや沼地などから、メスをひきつけるために鳴き声をあげる。メスは水場の上に、1000個以上の卵が入った塊を産卵する。卵の塊は水中の植物にくっつくことはなく、水面に浮かぶ。卵は2日ほどで孵化する。オタマジャクシは一ヵ月半ほどで変態する。小ガエルの色は赤色ではなくて、茶色である。小ガエルが繁殖できるくらいまで成長するのには一年ほどかかる。

トマトガエルの寿命は10年ほどである。近年になって、トマトガエルの生息数は減っており、その原因には生息地の破壊や、環境汚染、また、このカエルが国際的にペットとして取引されることが多くなったことなどがあげられる。

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