カエル動画図鑑


トウブスキアシガエル




和名:トウブスキアシガエル(ホルブルックスキアシガエル)
学名:Scaphiopus holbrookii
英名:Eastern Spadefoot Toad
分布:アメリカ合衆国
全長:60mm
えさ:ハエ、クモ、毛虫、ミミズ、カタツムリ、蛾、コオロギ

トウブスキアシガエルは、その名前が示すように、後ろ足に鋤(スキ)のような細長い突起がある。この突起は穴を掘るために使われる。ぽっちゃりとした体つきのカエルだ。体色には変化があり、オリーブ色から褐色、黒色など様々である。背中には二つの黄色い線が走っている。腹部は白色か灰色。鼓膜や耳腺ははっきりしている。(トウブスキアシガエルは、コーチスキアシガエルと似ているが、両者を見分けるには、鼓膜と耳腺に着目するといいだろう。)

このカエルには、"Toad"という英名、つまり、ヒキガエルという名前がついているが、ヒキガエルではない。本当のヒキガエルとくらべると、トウブスキアシガエルの体のほうが柔らかく、皮膚は滑らかである。また、このカエルは瞳孔が垂直であるが、ヒキガエルの瞳孔は水平である。皮膚の腺からは毒を分泌するので、取り扱いには注意が必要だ。人によっては、このカエルの毒でアレルギー反応を起こすこともある。

生息地は砂地や柔らかい土壌の土地である。乾燥した気候を避けるために、地面に穴を掘って地下で過ごすことが多い。夜になるとエサを探すために穴から出てくる。夜のほうが蒸し暑いので、体からの水分の蒸発を防げるからである。主なエサはミミズや節足動物などだ。

繁殖の時期は3月に始まり、夏の初めころまで続く。暖かい地域で生息するトウブスキアシガエルの場合、繁殖の開始は早くなるようである。オスは繁殖に適当な水たまりを見つけると、鳴き声をあげてメスをひきつける。100匹以上のオスが群れをなして、一斉に鳴き声をあげるようだ。その鳴き声はカラスの鳴き声に似ているともいわれる。メスは200個以上の卵を水中に産卵する。その卵はヒモ状になっており、水中に生えている植物にくっつけられる。卵は2、3日で孵化する。オタマジャクシになってから変態を終えるまでに要する期間は、2週間から1ヶ月ほどである。産卵から成体になるまでのスピードはかなり速い。それには理由があって、オタマジャクシが生息する水たまりが干上がってしまう前に、オタマジャクシは小ガエルになっている必要があるからである。

コーチスキアシガエル ニンニクガエル



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