カエル動画図鑑


カエルの天敵


自然界ではカエルには様々な天敵がいる。

カエルを食べる動物には、ヘビ、トカゲ、鳥、またはハリネズミのような小動物があげられる。水の中でも、カエルは安全に生活することはできない。カエルを食べる魚や、水鳥もカエルを食べるからである。それに加えて、大型のカエルになると、別の小ガエルを捕食することもある。



カエルには天敵が多いために、いろいろな防御方法をもっている。その防御の仕方の基本について、ここで解説してみることにする。

ジャンプして天敵から逃げる

毒をもったカエルや、体のサイズが大きいカエルは別として、一般的なカエルというのは自分の身を守る術というのをほとんどジャンプ力に頼っている。カエルは自分の体長の20倍もの長さの距離をジャンプすることで移動できるようだ。これは人間に換算すると、30メートルほどの距離になるから、カエルのジャンプ力たるや相当なものである。
(関連記事 →カエルのジャンプ力の秘密

体の色を変えて周囲の環境に溶け込ませる

これは隠蔽色や保護色とも言う。日本でわりと簡単にみられるのは、葉っぱにそっくりな色をしたニホンアマガエルなどである。アマガエル科のカエルというのは多くがこの隠蔽色をもちいて、天敵の目を逃れようとする。また、枯れ葉のような外観をもったアジアツノガエルは体色を変えるだけではなくて、体の表面を枯れ葉のような質感に変えてしまっている。その枯れ葉そっくりの姿には思わず目を見張るものがある。

体に毒をもつ

ヒキガエルヤドクガエルが有名である。ヒキガエルの目の後ろについている耳腺からは毒が分泌される。毒は「ガマ毒」として知られている。それと、ヤドクガエルというのは、南米の原住民が狩猟の際に矢の先端にヤドクガエルの毒を塗ったことからこの名前がついている。大型動物はおろか、人間でさえもヤドクガエルの毒は命取りになるようだ。さて、ヤドクガエルの毒はかなりの致死力をもった毒であるが、ペットとして飼育しているとこの毒は消えてしまうらしい。ヤドクガエルの毒は、このカエルが自然の中で食べるエサからつくられるからである。


カエルの防御方法について考えてみたが、世界には毒をもったカエルも存在するとはいえ、カエルというのは基本的には弱い生物であると思われる。

また、カエルは環境汚染の影響も受けやすい。そして、環境汚染に対してはカエルがもっている様々な防御機能というのは通用しないのである。



近年ますます、日本国内でもカエルが育つような水場が減少しているようである。カエルの存在というのは、生態系のバランスがくずれていないかどうかの指標になるものである。

また、環境汚染の観点からだけではなく、近所にカエルがたくさんいれば、なんとなく心がはずむというものである。

環境汚染がすすみ、野生のカエルが減っていって、生のカエルがペットショップや動物園でしか見られなくなったとしたら、それは悲劇であるとしか言いようが無い。



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