カエル動画図鑑


ハイイロモリガエル




和名:ハイイロモリガエル
学名:Chiromantis xerampelina
英名:African Foam-nesting Tree Frog,Gray Tree Frog
分布:ケニヤ、ナミビア共和国、南アフリカ
全長:80mm
えさ:昆虫、節足動物

ハイイロモリガエルは比較的、大きなカエルである。体はたくましく、長い足をもっている。手足には水かきが発達していて、指先には吸盤がある。体色はたいてい灰色だが、カエルのいる環境によって変化がある。背中はザラザラした皮膚をしており、木の皮などの上にいるときに、体の色がうまくその背景に溶け込む。また、気温が上がると体色は灰色から白色に変化する。

夜行性で樹上性のカエルであり、乾燥したサバンナを生息地にしている。ハイイロモリガエルは、乾燥したアフリカのサバンナの生活に適応するために、水分を節約する様々な能力を備えている。昼間、木の上で休むときは、体全体が直射日光にさらされないように、手足を体の下にしまい込んでしまう。そうすることによって、乾いた空気にさらされる皮膚の表面積を少なくすることが出来る。結果として、体内にある水分が蒸発してしまうのを防ぐことが出来るのである。また、最も暑い時期になると、皮膚の熱吸収を減らすために、体色を白く変化させる。乾季の夏眠の際には、皮膚から液体を分泌して、自分の体の周囲に防水のマユを作る。それと、排尿の際に、尿酸の形で排尿を行なうので、尿の排出に水分をほとんど必要としない。

繁殖の仕方はちょっと変わっている。オスは水溜りの上に張り出した木の上からメスを呼ぶ。メスは体から物質を分泌し、木の上で泡の塊を作る。メスはこの泡を泡立てていき、泡の巣を作るのである。メスはこの泡の巣の中に卵を産んで、オスはそこに受精をする。メスは泡の巣を作りながら、途中で水場まで行って水分補給をしてくることもある。そうした場合、オスは抱接を途中で止めてメスの体を離す。メスは水分を補給すると、再び木登りをして、泡の塊に戻って、巣作りを再開する。メスはこれを数回繰り返す。また、泡の巣は複数のメスとオスによって共有されている。そして、オスの数はメスの倍以上いる。ハイイロモリガエルのメスは、一雌多雄制であるということだ。実際に、メスは同じオスと抱接をするだけではなく、別の複数のオスと抱接をすることもあるから驚きだ。これはオスの間で、精子競争が行なわれているとも考えられる。抱接中のオスとメスに、別のオスが混じって、精子を注入しようとすることもある。そのため、産まれて来る子孫は複数のオスの親を持つことになる。そうして、メスは500個以上の卵を、泡の巣の中に産卵する。産卵の翌日も、メスは泡の巣に戻ってくるが、泡を増やすだけで、それ以上の卵は産まない。泡を増やすのは、泡の巣の乾燥を防ぐためである。数日後、孵化したオタマジャクシが泡の巣から下にある水場に落ちていく。

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